
立石武泰さん × 八尋由紀社長 前編
古代から江戸時代まで〜博多の港の歴史を振り返る
相互運輸社長、八尋由紀が水先案内人を務め、博多港を彩ってきた物語を紐解きます。第1回目は、博多の文化遺産の発掘・保存を目的とした団体『ハカタ・リバイバル・プラン』を主催する『立石ガクブチ店』の立石武泰さんにお話を伺います。今回は八尋の従姉妹である藤野恭子(文中:藤野)とその娘であり立石さんの息子さんの同級生でもある藤野絢子(文中:絢子)、八尋の父・脩の従姉妹の乃美吉江も同席しました。
<前後編の前編>

立石武泰さん
1921年創業の『立石ガクブチ店』の3代目店主。往年の風情を色濃く残す博多町家造りの店舗は、『博多百年町家』として一般にも公開しています。レトロな生活雑貨やおもちゃのほか、太平洋戦争中に掘られた防空壕も見ることができます。また、2008年にはまちおこし団体『ハカタ・リバイバル・プラン』を設立。歴史を正しく学ぶことにより郷土愛を育むことを目指し、日々活動を続けています。

博多にまつわる物語を掘り起こすプロジェクト
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八尋
『立石ガクブチ店』さんは、相互運輸から歩いて1分というご近所さん。この付近の電柱には、土地にまつわるエピソードを紹介する看板が付けられていますが、これは立石さんが主催する『ハカタ・リバイバル・プラン』という団体の活動のひとつなんですね。
立石さん
『ハカタ・リバイバル・プラン』は博多のまちおこしを目的とし、2008年に創設しました。博多にまつわる物語を綴った看板の設置のほか、大博通りのモニュメントや歩道の清掃、講師を招いての環境学習会なども行っています。

八尋
電柱の看板は本当に勉強になります。電柱を利用するというアイディアが非常にユニークですが、どんなきっかけから思いついたんですか?
立石さん
博多は2000年の歴史があるので、さまざまな場所にさまざまな物語があるんです。それを広く伝える方法はないかと、常々考えていました。そこで思いついたのが電柱の利用です。以前、西新にあった支店に勤めていたのですが、店の前に電柱があってそれがすごく邪魔だったんですね。公道に出ている分、非常に目立つ。その後、今の本店に勤め始めたら、ここにももちろん電柱はたくさんあって。こんなに目立つすばらしいスペースを使わない手はないなと思いついたんです。そこで電力会社と交渉して、看板の設置を始めました。
藤野
現在は博多だけではなく小笹や鳥飼にも設置しているんですね。どのくらいの数にのぼるんですか?
立石さん
全部で130箇所くらいです。そのうちの100箇所が博多エリアです。